遡ること15年以上前の話です。もう時効だと思うので書きますが(笑)。
深夜2時まで働き、4時に帰る生活
当時、私は広告会社で働いていました。激務の時期があり、毎晩のように深夜1~2時まで仕事が続く日々でした。
で、その時間に終わっても、まっすぐ帰れないんですよね。ストレスと疲労の反動で、そのまま飲みに行く。ときにはラーメンで締める。帰宅は3~4時。翌朝9時過ぎにはまた会社にいる。
20代でからだが丈夫だったのもあって、なんとかなっていました。でも今思えば、完全に負のスパイラルでした。リラクゼーション活動がコルチゾールを低下させセロトニンを増加させることは、複数の臨床研究で確認されています。
ストレスでメンタルに余裕がなくなると、からだは短期的な欲求を満たすことを優先し始めます。飲みに行くこと、深夜のラーメン、寝る時間を削ってでも「自分の時間」を確保するための夜更かし——どれも一時的には気分がよくなる。でも翌朝のからだは確実に消耗していて、またストレスへの耐性が下がる。
思考にもメンタルにも余裕がなくなり、快楽的な時間でバランスを取ることしかできない状態。心身にとっては、負のスパイラルが続いていました。
こころに余裕がないとき、こころのケアはハイレベル
当時の自分に「もっとストレス管理をしなさい」「メンタルケアを意識しなさい」と言ったところで、たぶん響かなかったと思います。
ストレスを解消しようとか、考え方を変えようとか、ポジティブになろうとか——こころに余裕がないときに、こころのケアをするのはハイレベルなことです。それができるくらいなら、そもそもそこまで追い込まれていない。
そして怖いのは、ストレスを感じていること自体に麻痺してしまうこと。「まあ、こんなもんでしょ」「みんな頑張ってるし」と、異常な状態が日常になっていく。
からだのことを学んで、変わったこと
からだの仕組みを学んだ今は、対処の仕方が変わりました。
忙しさが重なったとき、感情の変化——特に怒りやイライラなどのネガティブな反応が出やすくなるのを知っています。そのサインが出たときこそ、まずからだのケアを優先するようにしています。
具体的には、こんなルーティンです。
夜のセットアップ
- ①Hot Tuneで15分間、ゆっくりと入浴して心身を整える
- ②ストレッチで全身の力を抜く
- ③スマホは極力見ず、読書の時間を10分でも取る
- ④眠くなったら早めに寝室へ向かい、十分な睡眠を確保する
地味ですよね(笑)。でもこの「夜のセットアップ」が、翌朝の体調だけでなく、メンタルの余裕も作り出してくれます。
メンタルに余裕ができると、自分のからだにとって大切な選択ができるようになります。快楽的な選択ではなく、回復につながる選択。そのサイクルが回り始めると、スパイラルの方向が変わっていく。
こころを変えようとしなくていい
メンタルが落ちたとき、「考え方を変えよう」「ポジティブに」と自分に言い聞かせる。それは間違いではないけれど、それだけではうまくいかないことがある。
腸内環境が整っていなければセロトニンを作る材料が不足する。栄養が足りていなければ脳が正常に働く土台が揺らぐ。睡眠の質が悪ければ、翌朝のメンタルは最初から不利な状態で始まる。
だから、こころを直接変えようとしなくていい。
からだを整えることが、結果的にこころを整える最短ルートになる——これは、15年前の自分に教えてあげたいことの筆頭です。
こころに余裕がないときに、こころのケアをするのは難しい。
だからまず、からだから。
からだを整えれば、こころは自然とついてくる。
ちょっとした行動で、スパイラルの方向は変えられる。
そして最近、もうひとつ気づいたことがあります。からだを大切にすることで、メンタルも大切にできるようになる。メンタルに余裕ができると、自分の感情や価値観にも目を向けられるようになる。そしてその先には、自分が本当に望んでいること——願望や目標——にちゃんと向き合えるようになっていく。
からだを大切にすることは、「自分」というものをまるごと大切にすることの入口なんだと思います。からだ → こころ → 自分。その最初の一歩が、今日のおやつであり、入浴であり、睡眠なのだと。